クレジットカード会社は勤務先へ在籍確認をする?しない?秘密を解明します!
クレジットカードを作るときは勤務先へ在籍確認をすることになっていますね。
でも最近は非正規雇用や個人情報保護法などから在籍確認しても会社側が答えないパターンが増えているようです。
1.クレジットカードの審査で勤務先は重要?
基本は在籍確認がある
クレジットカードの申込条件はカードローンに比べ比較的ゆるやかなようです。
それは貸金業者が行うカードローンの契約を取り締まるのは貸金業法であり、クレジットカードは割賦販売法というまた違った法律により細かな運用方法が規定されているのです。
貸金業法第13条は返済能力があるかの審査は信用情報センターを利用して行い、審査の一環として申込者が勤務する会社に間違いなく在籍しているのかを「確認しなければならない」。
割賦販売法第30条の2において「利用者保護に支障がない程度で行う」ことが定められています。利用保護に支障があるとはクレジットカードの申込者が在籍確認を嫌がっていることも含まれます。
しかし同法ではクレジットカードの利用者が利用料金の支払いが可能かの判断は信用情報センターからのデータを基に行うことも定められていますのでクレジットカード会社は本人に了解を取った上で在籍確認をすることになるでしょう。
いずれにしても在籍確認はある、と考えていれば良いかも知れませんね。
審査内容によっては確認無し?
前項でご説明した割賦販売法によりカード会社によっては在籍確認を行なうことをしないでWeb完結による申し込みもできるところが増えていると聞きます。だからと言って審査をしないということではないですよ。信用情報センターへの照会は義務としてしなければならないのはクレジットカード会社も貸金業者も同じです。
信用情報に申込書との相違点がなく、他社クレジットカードなどの契約について返済遅れがなければ在籍確認までする必要はないと判断されるようです。クレジットカード会社が多く加入するシーアイシー、貸金業者が多く加入する日本信用情報機構はお互いが持つ情報をできるかぎり共有するシステムを構築しています。
申込書の年収や勤務先、勤続年数に嘘の記載がないと分かれば信用情報センターのデータを信頼することで会員が好まない在籍確認まではせずに自社会員数を増やしたい思惑もあるようですね。
2.派遣社員・契約社員の場合はどうなるの?
個人情報には答えられない?
日本の労働者のうち非正規雇用、いわゆる派遣社員の割合は全体の多くを占めていると言われています。クレジットカードは安定した収入があって年齢条件が整えば申し込むことは可能です。よって派遣社員の方も何も問題なく申込みをすれば後は審査によって契約できるかが決まるでしょう。
派遣で仕事している方は短期間で職場が変わってしまうこともあるため申込書には「派遣元」、つまる契約先を書くことになります。派遣先を書いてしまいタイミング悪く職場が変更になると在籍確認を行うことができないからです。
クレジットカード会社もその辺の事情はもちろん知っている項目ですから在籍確認をする場合は申込書に書いてある派遣元へ電話することになります。しかしここでも法律の壁が待っているのです。それは一般名「個人情報保護法」です。
同法には第16条により本人の同意を得ずに個人情報を扱ってはならないことが定められています。したがって派遣元へ在籍確認しても「個人情報に関することは答えることができません」となるわけです。
派遣先でも答えられない?
派遣元ではカードを申し込んだ方の派遣先も本人の同意なしで答えることができません。
あらかじめ本人から同意を得ていれば現在の職場を教えてくれるかも知れませんね。そこでカード会社の担当者は派遣先へ電話することになるのですが、やはりそこでも立ちはだかるのが個人情報保護法です。
教えてくれた派遣元では本人から同意を得ていたのでとくに問題はないでしょう。しかし派遣先で本人から同意を得ていない場合は同じように「お答えできません」となるのが当然と言えますね。
そうなると派遣社員はクレジットカードを作ることができないとなってしまいますが、前項でご説明した信用情報上問題がないと判断できれば本人へ直接電話して派遣元の情報や現在働いている職場の情報、何かあったときの連絡先、例えば実家などの情報を聞き出すしか方法がないようです。
3.アルバイトのときはどうする?
勤務先の電話番号で良い?
クレジットカードはショッピングについて18歳以上で安定した収入があれば申し込むことが可能です。高校生は申し込むことはできませんが卒業していれば学生の方も申し込み対象になります。またフリーター、アルバイトをしている方も何ら問題ないでしょう。
アルバイトをしているときに書く勤務先名や電話番号で困るのが全国展開しているようなコンビニやスーパーなどで勤務地が定期的に変わる場合ですね。たまたま在籍確認の電話がくるときに勤務している店舗が変更になると確認ができません。
それなら本社や本社の電話番号を書けば良いのかというとそうでもないでしょう。本社はアルバイトやパート社員まで管理することは難しく例え管理していたとしても個人情報ですから答えることができません。ではどうすれば良いのかですね。
この場合は現在勤務している店舗、電話番号で良いでしょう。また店長や事務の方にはクレジットカード会社から電話がくることを伝えておけば仮に勤務先が変わっても案内してくれる確率が高くなるのではないでしょうか。
掛け持ちしている場合は?
パートやアルバイトを複数こなしている方が書く申込書の勤務先は収入が一番多いところを書くのが良いでしょう。
収入が最も多いということはそれだけカード会社に対して「支払い能力」があることを訴える効果が期待できますね。この場合も店長や事務の方にはあらかじめ電話がかかってくることを伝えておくことが重要と言えます。
4.勤務する会社を変更したとき
変更届は必要なの?
クレジットカードの発行先が大手なら公式サイトに会員専用ページがあるはずです。以前の会社を退社し新しい会社に変わった場合は会員情報を変更するように会員規約にあるでしょう。しかし会員情報を変更しないからといってカードを利用できないこともなく中にはそのまま情報変更せずに利用している方も多いかも知れません。
それでも原則的には情報を変更するようになっています。もしカード更新時期や合理的な理由により勤務先へ電話したときに既に会社をやめたことが分かると最悪カードの利用停止や強制解約となってしまうことも知っておいた方が良いですね。
更新するとき再審査はあるの?
通常クレジットカードの有効期間は5年です。カード会社が引き続き会員と認めればカードの更新が行われます。このことも会員規約に書いてあるでしょう。
更新時期に信用情報を再度取得するかについての規約に「5年ごとに行う」とは書いてありません。しかし割賦販売法施行規則第41条によって定めがあるため再審査が行われることは疑う余地はありませんね。
クレジットカードの信義として「信用」が大切ですね。信用があって初めてカードを発行するのですから在籍確認はしないにしても他社の返済状況や契約額などの調査はあると思っていたほうが良いでしょう。会員数確保は重要でもリスクのある会員を抱えるのはカード会社にとって不安だということですね。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。クレジットカード会社は割賦販売法によって細かなことが規制されています。
カードローンなら在籍確認ができなければ審査落ちとなるケースが多いのですが、商品を購入することを前提としたクレジットカードの場合は貸金業法と少々異なるようです。また個人情報保護法の関係も絡んでくるため信用情報に問題がない、申込書に嘘がないとなれば在籍確認を行わないカード会社もあるようです。
なお確認の電話があっても、なくても、審査はありますので信用情報を見られても不審だと思われないように自己管理しておくことが最も重要と言えることですね。