金融初心者の方へ!6つのポイントでファイナンスの意味を理解しておこう♪
ファイナンスを日本語にすると「財務」という意味合いですね!
ビジネスの分野でファイナンスといえば、企業価値を「最大化」するための意思決定に関わる理論のことを意味します。
意思決定は、「投資」「資金調達」「配当」という3つの活動から成り立ちます。
この理論は「コーポレート・ファイナンス」とも呼ばれています。
ちょっと難しいかもしれませんが・・。「ファイナンス」の意味を簡単にチェックしておきましょう!
1.ファイナンスと会計はどこが違うのか?
「ファイナンス」と「会計」は似ていますが、会計は扱うものが「利益」であり、ファイナンスは扱うものが「キャッシュ(現金)」であるという点が一番の違いです。
また、「会計」はあくまでも企業の過去の業績を扱うのに対して、「ファイナンス」は企業が将来生み出すキャッシュフロー、すなわち未来の数字を扱います。これが大きな違いです。
会計では過去の数字を扱うため、現実の企業活動を反映させるにはどうしても限界があります。
そこで現実の企業活動をより具体的に反映できるファイナンスに注目が集まり、会計からファイナンスへという流れが生まれました。
2.ファイナンスの基本
企業の活動には主に3つの側面があります。資金を調達すること、その資金を事業に投資すること、その投資から得たリターンを株主と債権者に配分することの3つです。
そしてファイナンスは、資金調達に関する意思決定と、投資に関する意思決定と、配分に関する意思決定、これら3つの意思決定を最適化するためのツールなのです。
ここでいう意思決定の最適化とは、企業価値を最大化するための意思決定ということ。そしてファイナンスにおける企業価値とは、投資家にとっての企業価値を指します。
3.ファイナンス用語の基本
これは必要となるような、いくつかのファイナンス用語を紹介します!
まずは「リスク」について。リスクという言葉はもはや日常用語になっていて私たちもよく使いますが、ファイナンスにおけるリスクは少し特殊な意味があります。ひとことで言うと、リターンのばらつきがリスクです。
将来のリターンがどうなるかわからない、その不確実性の幅のことをリスクというのです。ものすごく危険な事業があったとしても、不確実性の幅が少なければリスクが高いとはいいません。
4.リスクプレミアムとは?
「リスクプレミアム」とは、リスクをとることに対する報酬のことです。リスクをとった分だけの報酬がなければ、だれもわざわざリスクをとろうとはしませんよね?
「リスクプレミアム」とはその報酬のことで、リスクフリーレートに上乗せされる形で計算されます。「リスクフリーレート」とはリスクのない投資から得られるリターンのこと。具体的には国債の利回りのことです。
それではなぜ?国債が無リスクなのかというと、国が倒産してお金を返せなくなることはまずないからです。(可能性はゼロではありませんが・・)
国債に投資していれば無リスクでリスクフリーレ-トのリターンを得られる。それなのにわざわざリスクをとってまで別の投資をした。そのリスクをとったぶんに対する報酬がリスクプレミアムです。
そして「リスクフリーレート」と「リスクプレミアム」を足し合わせたものを期待収益率といいます。投資家が実際に受け取ることを期待するリターンのことですね!
5.資本コストとは?
「資本コスト」は企業からみた資金調達コストのことで、「負債コスト」と「株主資本コスト」の2種類があります。
企業が資金を調達する場合、そのお金の出どころは「債権者」か「株主」のどちらかになります。負債コストとは債権者が企業に要求してくるリターンのことです。
ここでいう債権者とは銀行や社債投資家のこと。要するに企業へのお金の提供者のうち株主以外のひとたちのことです。
それに対して、株主が企業に要求するリターンのことを株主資本コストといいます。そして負債コストと株主資本コストを足し合わせたものが資本コストです。要するに企業の資金調達にかかる費用の総額ですね。
企業はこの資本コスト以上のリターンを事業から回収しなくてはなりません。事業への投資から得られたリターンが資本コストを下回ったら、赤字になってしまうわけですから。
6.お金の時間価値とは?
「お金の時間価値」とは、現在と将来でお金の価値が変わってきてしまうという考え方のことです。もっと具体的に言うと、明日のお金よりも現在のお金の方が価値があるということです。
お金の将来の価値というのは、お金を複利で運用した時に将来どのくらいの価値になるのかということです。
例えば今100万円を持っていたとしましょう。金利が10%だった場合、1年後には110万円になります。これはつまり、今の100万円と1年後の110万円の価値が等しいということです。
言いかえれば、今の100万円は1年後の100万円よりも10万円分だけ価値が大きいということなのです。
このようにお金には時間価値という要素が関わってくるため、異なる時間帯のキャッシュを比較する時には、この時間価値の分を調整して考える必要があります。
7.まとめ
ファイナンスについての基礎知識をご紹介しました!
ファイナンスの分かりやすい解説書はいくつか出ていますから、興味をもたれた方は書店で探してみることをおすすめします。
ファイナンスの基本は数学を使わずとも理解できるので、気軽な気持ちで挑戦してみてください!