カードローンの申し込みをキャンセルしたい!今後の審査への影響は?
急遽お金が必要になったので、カードローンに申し込みをしたのですが・・。
お金を用意することができたり、やっぱり借金は怖いという気持ちを持ったり、その申し込みをやめたくなることもあるかと思います。
カードローンの申し込みをキャンセルすることは出来るのでしょうか?
1.申し込んだ契約のキャンセルはできる?
「約束は守りましょう。」日本人ならば、幼い頃にこのような教育を受けた方も多いと思います。約束を守ることは、マナーといっても過言ではないでしょう。契約も約束と似た性質を持ちます。
「カードローンを作りたいです。」と自分からいった以上、それを「やっぱりやめます。」とは言いづらいかと思いますが、撤回することはできるのでしょうか?
▼【法律的にキャンセルは認められる?】
民法では承諾期間を定めて申込みを行った場合、 承諾期間中は申込みを撤回できない。と定められています。
承諾期間中に相手方から承諾の通知を受けなかったときは、 申込みは効力を失うとされています。
他方で承諾通知が承諾期間経過後に到達した場合であっても、 通常の場合にはその期間内に到達すべき時に発送したものであることを知ることができるとき。
申込者は、遅滞なく承諾した者に対して承諾通知が延着した旨の通知を 報告しなければならないとされています。
上記のように民法の定めに従った場合、契約書に「~日までに審査結果を通知します」等とカードローン会社が申込者と契約をするか否かの結果を通知する期間を決めていた場合。
「~日まで」と指定された日付までは、申し込みをキャンセル(撤回)することができません。
指定された日付までに結果が通知されない場合には、申し込みは無効になります(民法第521条)。
法律的に考えると、制約はありますが「約束は守りましょう」ということで、申し込みのキャンセルを一律に却下されるということはないようです。
▼【法律に従ってキャンセルは認められる?】
民法では制約はありますが、申し込みのキャンセルが可能であることがわかりました。ここで覚えておきたいことは、日本の法律は私的自治の原則という立場をとっています。
私的自治の原則(してきじちのげんそく)
個人の私法関係は、その意思に基づいて事由に規律することが出来るとする原則のことを、私的自治の原則と言います。 契約自由の原則や、遺言自由の原則等が、当該原則の表れと言えます。
私的自治の原則とは、民法に規定されている法律と違う内容の契約をすることができるという立場のことをいいます。
もちろん無制限に法律と違う内容の契約を結ぶことができるわけではありません。
例えば「わたしはあなたから借金をしますが、仮にその期間が過ぎても時効の利益(時の経過によって借金を返済しなくてよくなる利益)を主張しません。」といった内容の契約は強行法規(当事者間の合意に優先して適用される条項)違反として無効です。
カードローンの申し込みの撤回による民法の定めは強行法規ではありません。当事者で民法の定めでない契約内容を作ることができます。
一般的にはカード会社が契約書を作成することが多いでしょう。すなわち、申し込み後のキャンセルを認めるか否かはカード会社次第となります。
▼【会社はキャンセルを認めてくれる?】
法律的な制約はありますが、カードローン申し込み中のキャンセルは出来ることがわかりました。
そして、必ずしも法律に従わなければならない。というわけではないことを学びましたが、考えてみても結局のところ、カードローン会社はカードローン申し込みのキャンセルを認めてくれるのでしょうか?
実際に調査してみたところ、カード自体が発行されていない段階であればキャンセルに応じるというカードローン会社が大半のようです。
なので、キャンセルしたいのであればできるだけ速やかにカードローン会社に連絡するようにしましょう。
審査がまだ始まっておらず、 カードローン発行の手続きもまだ行われていない状況であれば、ほぼ間違いなくキャンセルに応じてもらえるはずです。
審査中であり、まだカードローンの発行手続きが行われていない段階であれば、キャンセルに応じてくれる会社が大半のようです。
ただし、契約内容については当事者(実際はカードローン会社が作成する)で自由に決めることができます。申し込み後のキャンセルには応じないと定めている会社があることも十分に考えられます。
申し込みをしたカードローンのキャンセルをする時ではちょっと遅いのですが、カードローンの契約をする際には契約書の内容をよく確認することが必要です。
2.今後の審査には影響がある?
クレジットカードを作ったり、ローンを組んだ場合、顧客情報が「信用情報機関」に登録されます。
さらに、ある一定期間返済が滞ったり、破産が生じた場合「事故情報(異動情報や延滞情報、ネガティブ情報ともいいます)」として登録されてしまいます。
これを通称「ブラック情報」、一般的に「ブラックリスト」と呼んでいます。
「事故情報」=「ブラック情報」=「ブラックリスト」 ということなので、実際には「ブラックリスト」というリストが存在するわけではありませんが・・。
「事故情報」として登録されている状況のことを一般的に、「ブラックリストに載っている」と表現しています。
カードローン申し込みのキャンセルは、返済の滞りや破産といった事故情報とは無縁のようですが、いわゆるブラックリストとは本当に無縁なのでしょうか?
カードローンやクレジットカードの申し込みは、申し込みを行った時点で個人信用情報機関に登録されます。
なので、その後のキャンセルや解約についても全ての情報は登録されてしまいます。
その後ほかのカードローンやクレジットカードに申し込んだ場合、その情報が不審な履歴として見なされることもあり、審査に悪影響を及ぼすことも考えられるのです。
事故ではなくとも、実務的には金融会社間で共有される情報として履歴が残ってしまうようです。
「この人は一回申し込みをしてもキャンセルをしたことがある人だ。あまり信用できないから今回は契約をお断りしよう。」と考える金融会社がないとは言いきれないということです。
ブラックリスト(事故情報)は国が作成しているわけではなく、金融会社間で信用情報として共有されているものです。
「その内容を消してください。」と主張しても、金融機関は直ちに削除等を義務付けることは出来ません。
Q 登録されている情報を削除できるのですか?
A 登録内容が事実であれば、訂正・削除することはできません。
3.まとめ
お金が必要なときにどうしても手持ちがない。親戚に借金をお願いするなんてとても頼めない。
そんな時に簡単な審査でお金が借りられることは間違いなく便利ですよね。
銀行や消費者金融会社等、カードローン契約を結ぶことができる金融機関は少なくありません。自分にとって安心かつメリットがある金融機関をじっくり選ぶことができます。
カードローンを 申し込んではみたけど、やっぱり怖くなったなど。申し込みをキャンセルしたい理由はいくらでも考えられます。
しかし、申し込みのキャンセルがいつでも必ず出来るかは不明です。実際に借金をしていないにも関わらず、事故情報(ブラックリスト)で個人情報が共有されることは誰も望みませんよね。
無人契約機や広告でのかわいらしいCMなど、一昔前よりも消費者金融を利用することに抵抗がなくなっている時代になっています。
しかし、カードローンは大多数の金融機関が利息を設定している借金の1つです。
カードローンに限った話ではありませんが、契約をする際には面倒であっても必ず契約書の内容を全て理解して、文言が難しければ担当の方に説明を求めることも必要でしょう。
契約を結ぶということは、少なからずそこに責任が発生するからです。無理のないカードローン利用を心掛けましょう!